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おねしょ・夜尿症の治療

赤ちゃんは、昼夜の区別なくおしっこをしますが、成長につれおしっこを膀胱に溜められる量が増えていき、夜のおしっこが減っていき、おねしょが無くなってきます。小学校入学までには、9割前後のお子さんがおねしょをしなくなります。

小学校入学以降でも、おねしょが続く症状を夜尿症といい、医療機関での受診をお勧めします。

原因

夜尿症のおもな原因は下記とされています。

  • 抗利尿ホルモンと呼ばれる、排尿を制限するホルモンが十分に機能していない
  • 膀胱の容量が小さくおしっこを溜めていられない
  • 生活のリズムが乱れている
  • 心理的なストレス

夜尿症の治療について

夜尿症は成長とともに、改善していきます。小学校を卒業するくらいになるとほとんどが改善されますが、成人になっても続く場合もあります。やはり専門の医療機関で早期に治療することは有効です。

当院では、投薬などを利用しながら、お子様にあった治療を行っていますので、是非お早めにご相談ください。

『おねしょ』(夜尿症)が治らない 

 子どものおねしょ(夜尿症)は、「5歳を過ぎて1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」と定義されます。7歳児における夜尿症の有病率(病気をもっている人の割合)は10%程度とされ、その後は年間15%ずつ自然に治るとされますが、0.5~数%は夜尿が解消しないまま成人に移行するといわれています。生活指導をはじめとする治療介入により、自然経過に比べて治癒率を2~3倍、高めることができ、治癒までの期間が短縮するといわれています。

 小学校に入っても夜尿症が治らない場合は、小児科あるいは泌尿器科を受診することをお勧めします。夜尿症患児は夜尿のない対象のお子様と比較して、有意に自尊心が低いとの報告もあり、夜尿症が改善したお子様では自尊心の回復が見られたとの海外の報告もあります。

 夜尿症は親の育て方や子どもの性格の問題ではありません。夜寝ている間の尿量が膀胱(ぼうこう)に貯められる尿量より多いと、夜尿症につながります。

夜尿症は、

①睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目をさますことができないという覚醒障害を基礎としています。

この覚醒障害に加えて、

②膀胱の働きが未熟である(膀胱の容量が小さい、ある程度膀胱に尿が溜まると膀胱が勝手に収縮してしまう、など)

③夜間尿量が異常に多い(夜間多尿)

などいくつかの原因が複合して発生します。
 昼間の最大1回排尿量(mL)を計り、これを体重(kg)で割った値が5mL/kg以下なら、膀胱容量の少ない膀胱型の夜尿症が疑われます。もし、トイレが近い、トイレまで間に合わなくて尿をもらすという昼間の症状があれば、尿を貯める膀胱の働きが明らかに未熟である可能性が高くなります。突然の尿意切迫感や、トイレまで間に合わなくて尿をもらすという昼間の症状がある状態は、『過活動膀胱』と呼ばれます。

 夜間尿量が多いかどうかを知るためには、実際の夜間尿量を測ります。夜尿の量はおむつの重さの変化(使用後のおむつの重さから使用前のおむつの重さを差し引いた量)でわかります。夜尿量と起床時の排尿量を加えたものが夜間尿量で、

標準的な夜間尿量=「 体重(kg)× 睡眠時間(時間)×0.9 」(mL)が、

6~9歳では200ml以上、

10歳以上であれば250ml以上

であれば、夜間多尿型の夜尿症が疑われます。

一般に、夜尿症児の1/3は膀胱型1/3は夜間多尿型残りの1/3は膀胱型と夜間多尿型の両要素をあわせもつ混合型です。

 夜尿症の原因を調べ、原因に応じた治療法を提示します。生活指導や行動療法を開始し、効果が乏しい場合には夜尿アラームや内服治療を追加します。夜尿を回避するために就寝後の決まった時間にお子様を起こされる保護者の方がおられますが、短期的な効果を示唆する報告は散見される一方、長期的な効果に関しては結論は出ていないようです。

 内服薬としては夜間尿量を減少させる効果のある薬剤を就眠直前に使用します(抗利尿ホルモン療法)。抗利尿ホルモン剤については従来わが国においては点鼻薬しかありませんでしたが近年、口腔内崩壊錠が使用可能となり服用しやすくなりました。抗利尿ホルモン療法を行う場合には、就眠前2時間以内の厳重な水分制限が必要となります。アラーム療法や抗利尿ホルモン剤で改善を認めないお子様には膀胱の緊張を緩和して膀胱容量を増加させる作用のある薬剤(抗コリン薬)を投与することがあります

 頑固な便秘は、膀胱容量を小さくする可能性があるため、便秘をしないように留意して下さい。味が濃い食事をとると、水分を多く取ってしまいますので、夜間多尿型では塩分コントロールも大切です。

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