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精巣の病気についての質問

Q. 精巣か陰のうが腫れているのに気付いたのですが、なんでしょうか?

 

精巣あるいは陰嚢が腫れる病気には、以下のようにいくつかあります。頻度的には良性のものが多いですが、特に無痛性のものでは悪性腫瘍も念頭に入れる必要があり、ひとまず泌尿器科専門医を受診することが肝要です。

  1. 腫瘍では早期診断、早期治療が鉄則ですし、
  2. 炎症では高熱・痛みなどの辛い症状と、治療遅延による重症化の危険があり、
  3. 精巣捻転ではより緊急を要します。

いずれにせよ、ご自分で判断せず、はやめに一度受診されることをお勧めします。

  • 精巣腫瘍・・・精巣にも悪性腫瘍が発生します。精巣は精子を形成する胚細胞から成るために、悪性で あっても医学的には精巣がんと呼ばず、精巣腫瘍といいます。精巣腫瘍の種類には、胚細胞 から発生する胚細胞腫瘍、血液疾患である悪性リンパ腫、特殊な悪性腫瘍である肉腫 などがあります。通常は 痛みを伴わないで精巣が腫れてくることで発見されます。年齢的に働き盛りの人が多いこと、陰部であり羞恥心があることなどを理由にかなり進行した状態ではじめて来院されるケースもまれではありません。しかし ながら、早期に発見し、早期に治療すれば予後のよい病気ですから、早めに受診 されることをお勧めします。詳しくはこちら

以下のような良性の病気でも精巣や陰のうが腫れることがあり、精巣腫瘍と鑑別する必要があります。

  • 陰のう水腫・・・精巣を包む膜に水が溜まる病気です。針で水を抜く処置を すれば軽快しますが、繰り返す場合は手術が必要になることもあります。 小児の場合は自然に治癒することもあります。詳しくはこちら
  • 精巣上体炎・・・尿道から細菌が入り、精管(精子が通る管)を上行して精巣の脇にある精巣上体(副睾丸)に感染する病気です。熱や痛みが出ることが多いですが、症状が乏しい こともあり、精巣腫瘍と鑑別が必要です。詳しくはこちら
  • 精巣炎・・・おたふく風邪のウィルスなどが精巣に移行して精巣が腫れる病気です。 成人になってからおたふく風邪に感染すると精巣炎になることがあり、男性不妊症の原因となることもあります。熱が出ることが多いです。
  • 精巣捻転・・・体格や精巣が急に成長する思春期に多い病気で、精巣自体が陰のうの 中で回転し、血管がねじれて血液が精巣に行かなくなることで痛みが生じます。 発症から数時間以内にねじれを解除する必要があり、緊急手術になることが多い病気です。 発見が遅れると精巣を摘出せざるを得ないことがあります。
  • 鼠径ヘルニア・・・いわゆる脱腸と呼ばれるもので、精巣の血管と精管が通る『鼠径管』という筋肉の 膜でできたトンネルから腸の一部が顔を出す病気です。陰のうが腫れるまで腸 が下にさがることがあります。痛みが強い場合は緊急手術になる場合があります。
  • 精索静脈瘤・・・思春期以降の男性に好発する蔓状静脈叢の怒張とうっ血であり、左右内精索静脈の解剖学的相違から左側に多いです。一般成人男性の8-23%に認められ、その多く(75%)は正常な造精機能を有しますが、一方で男性不妊症患者の21-39%で精索静脈瘤を認めます。
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