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膀胱炎(ぼうこうえん)

膀胱炎(ぼうこうえん)とはどんな病気?

排尿時に不快な感じがあったり、排尿の後がしみるような痛みを感じたりする、また、尿の回数が多くなるなど…。このような症状があったら、多くの人が、まず「膀胱炎」を疑います。男性より女性の方が、「膀胱炎」にかかりやすいです。では、「膀胱炎」とはどんな病気でしょうか?

「膀胱」は、内面がやわらかい粘膜の袋で、尿を溜めるところです。その膀胱に炎症を起こすのが「膀胱炎」です。外部から大腸菌などの腸内細菌が、尿道をさかのぼって膀胱の中に入り増殖することにより、引き起こされる病気です。膀胱の中で細菌が繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気が「膀胱炎」です。圧倒的に女性に多い病気です。女性の方が尿道が短く、細菌が膀胱まで簡単に到達してしまいます。多くの場合、おしっことともに細菌は膀胱の外へ洗い出されますが、おしっこを我慢したり、体調が悪かったりすると膀胱の中で細菌が繁殖して膀胱炎を起こします。

女性に多い膀胱炎s001med_066

膀胱炎を引き起こす腸内細菌は、大腸・直腸に棲んでいる菌ですので、肛門やその周囲には必ずいるものです。女性の場合は、肛門からまず膣に細菌が棲みつき、そこから、尿道、膀胱、腎孟へと侵入していきます。また、女性に膀胱炎が多いのは、男性に比べて尿道が短く3、4㎝の長さしかないため、細菌が膀胱内に侵入しやすいためです。膀胱炎は、女性にとって大変ポピュラーな病気です。

急性膀胱炎

原因となる病気が特になく、大腸菌などの細菌が尿道から侵入し感染することで起こります。膀胱炎の大半を占め、若い女性がかかる膀胱炎はほとんどがこのタイプです。

急性膀胱炎の3大症状

  • 排尿痛:排尿時に差し込むような痛みが生じ、排尿の終わりに特に痛みが強くなります。
  • 頻尿:排尿回数が増え、30分~1時間ごとにトイレに行きたくなることもあります。
  • 尿の濁り:細菌と戦うために集まった白血球や炎症部分の分泌液やはがれた膀胱の粘膜が混入するために、尿が濁ります。

そのほか、残尿感、血尿などが現れることもあります。発熱がある場合には、腎盂腎炎の可能性があります。腎盂腎炎についてはこちら

<膀胱炎の種類にはどんなものがありますか?>

〈単純性膀胱炎〉

単純性膀胱炎は、機能的・形態的に尿路に異常のない人の膀胱炎です。 単純性膀胱炎は、女性では尿意を我慢したり、冷えや月経が原因で起きることがあります。 また妊娠や便秘、性交渉などが誘因となって起こります。 単純性膀胱炎の症状には、頻尿や残尿感などです。

〈複雑性膀胱炎〉

複雑性膀胱炎は、尿路に尿停滞、異物、持続的細菌源、あるいは全身的抵抗力の低下などの基礎疾患を有する慢性膀胱炎です。 複雑性膀胱炎は、これら基礎疾患を除去しなければ感染症は治癒しないことが多いといわれています。 また、複雑性膀胱炎には、しばしば複数菌感染がみられます。

〈間質性膀胱炎〉

間質性膀胱炎は、何らかの原因で膀胱の粘膜の内側の層に炎症が起き、筋肉が萎縮する病気です。通常、膀胱には200~400mlの尿が溜まると尿意を覚えますが、この間質性膀胱炎になると膀胱が膨らまないため、100ml以下で一杯になります。 そして、尿が溜まると下腹部が激しく痛み、トイレに行く回数がとても多くなります。間質性膀胱炎の診断は、膀胱鏡で膀胱の内部を観察することが必要になります。

〈嚢胞性膀胱炎〉

嚢胞性膀胱炎は、膀胱粘膜に袋状の病変が発生します。

〈真菌性膀胱炎〉

真菌性膀胱炎は、真菌(かび)の感染によって膀胱が炎症を起こすものです。

<膀胱炎になるとどんな症状が出ますか?>

【膀胱炎の症状について】

〈頻尿〉

尿意を催しトイレに行く回数が増加します。 症状の強い時は、10分前後の間隔でトイレに行くことも少なくありません。 1回で出る尿の量は少なくなります。 排尿後もまだ残ってる感じ(残尿感)もあることが多いです。

〈排尿痛〉

炎症を起こした膀胱が、排尿により急激に縮まり刺激されるために排尿痛があります。 排尿の途中よりも、排尿の後半または終了後に痛む事が多いようです。 下腹部や尿道口の痛みとなります。

〈尿混濁〉

膀胱炎になると、細菌が尿の中で増殖し、白血球や炎症を起こした膀胱の粘膜がはがれたりして尿が白濁します。 尿に膿のようなドロッとしたものが混在します。臭いもきつくなることが多いようです。

〈血尿〉

細菌に膀胱粘膜が傷つけられて、目で見て分かるほどの血尿が出ることもあります。 血尿は、出始めから出終りまで同じ濃さではなく、膀胱がからっぽになる最後に強くなる、排尿終末時血尿のことがほとんどです。 

「膀胱炎の症状」には、このような排尿痛・残尿感・下腹部痛・頻尿・尿混濁・血尿などがあります。

これらの症状があっても病院に行かないで我慢していると、排尿しないときにも下腹部が痛むようになってしまいます。膀胱炎では通常、熱は出ませんが、熱が出たり、腰痛があったりする場合は、細菌が腎臓の腎孟まで炎症が広がり、腎孟腎炎になっている恐れがあります。

<膀胱炎の治療はどのようなものがあるのでしょうか?>

急性膀胱炎(細菌性)では、水分を十分に摂取して尿量を増すことにより、症状が緩和されます。でも、膀胱炎には過度のアルコール(ビールやワイン)の摂取はひかえましょう!

最もおすすめの膀胱炎の治療は、抗生物質の力を借りることです。

膀胱炎の原因となっている菌を死滅させる抗生物質を服用すれば、三日以内で症状はとれてきます。膀胱炎は膀胱内壁の細菌繁殖とそれによる炎症なので、まずは大腸菌など膀胱内部で繁殖している細菌を死滅させる事が肝要です。抗生物質は膀胱炎治療には効果が大変高く、通常は飲み始めてから遅くとも一週間以内には嘘のように膀胱炎が治まります。

診断と治療001med_049

膀胱炎の疑いがある場合、尿検査を行います。尿を採取する場合、出はじめの尿より途中の尿(中間尿)をとります。出はじめの尿には膣のおりものなどが混入しやすいからです。正確を期するために導尿(どうにょう)をすることもあります。尿検査で、一定数以上の白血球や細菌が見つかれば膀胱炎と診断できます。さらに尿中の細菌を培養して菌の種類を調べます。

膀胱炎の治療には抗菌薬が用いられます。3~4日の服用で症状はよくなります。尿量が少なく、膀胱にたまっている時間が長いと膀胱内で菌が繁殖しやすくなるので、水分を多めに摂取して尿量を増やすように心がけてください。こまめに排尿することも大切です。

薬の服用が終わったら、再び尿検査を受け、膀胱炎が完治していることを確認しましょう。再発を繰り返さないためには確実に治しておくことが大切です。薬を服用してもなかなか症状が良くならない場合には、あらためて細菌を培養して、細菌の種類や薬との相性をチェックします。最近、耐性菌と呼ばれる抗菌薬の効きにくい細菌が増えています。完全に治るまできちんと治療して下さい。さらに、膀胱炎の誘因となる病気について検査を行う場合もあります。

<膀胱炎の予防としてできること>

■膀胱内に菌を入れない

■膀胱内で菌を増やさない

■身体の抵抗力を落とさない

具体的には?

〈トイレを我慢しない〉

水分を多めにとって、なるべくトイレに行き、尿と一緒に菌を外に出すようにしましよう。

〈身体の抵抗力・免疫カを落とさない〉

ストレスや過労、過激なダイエットは避けましょう。

★下半身を冷やさないことも膀胱炎予防になります。

★食事も栄養バランスの摂れたものにし免疫力を高めましょう。

〈陰部を清潔に〉

生理用ナプキンやおりものシートは、3時間以内に変えて清潔な状態を保ちましょう。

排便後には多少なりとも肛門とその周囲には大腸菌が付着しています。紙で拭く際には、後ろから前(肛門→尿道)へ拭くと尿道に菌が入りやすくなってしまいます。日頃から「前から後ろへ」拭くように心掛けて菌が尿道に入らないようにしましょう。

また便秘気味の人も膀胱炎になりやすいと言われますので、長期便秘にならないように気をつけましょう。

〈性行為後はトイレヘ〉

性行為中は細菌が尿道に侵入しやすい状況で、万一入っても排尿すると菌も一緒に流れます。同時に、陰部を軽くシャワーなどで洗い流していただくと更に膀胱炎の予防に効果的です。

「膀胱炎かな?」と思ったら、早めに病院に行くことが大切です。どうしてもすぐに受診できないという人は、温かい飲み物をたくさん飲んで、1時間おきぐらいにトイレに行き、膀胱を洗うようにしましょう。

また、腰を冷やさないようにし、しっかり休養して体力を落とさない事も大切です。女性の場合、ホルモンの低下や冷えによって、膀胱炎を繰り返してしまうことが多いので、漢方薬の治療を希望する人もいます。漢方薬局などで相談してみて下さい。

膀胱炎に関連する食べ物

・避けた方がよい食べ物

刺激物…からし・わさび・唐辛子などの辛いもの

アルコール…ビール・ワインなど

カフェイン食品…コーヒー・紅茶・お茶

酸性食品…炭酸飲料・酸味の強い果物

・予防・改善に良い食べ物

スイカ…むくみや腎機能が低下時の利尿効果

しょうが…体を温め・抗菌作用

再発予防のために次のことに注意しましょう

  • 水分を多めにとる
    尿量を増やしましょう。普段からお茶やお水を多めに飲む習慣をつけましょう。
  • 排尿を我慢しない
    我慢して尿が膀胱にたまる時間が長くなると、それだけ菌が繁殖しやすくなります。
    外出時などには、前もって排尿を済ませておきましょう。
  • 過労や冷えに注意する
    過労がたまったり、からだが冷えたりした時に膀胱炎は起こりやすくなります。
    冷房の効き過ぎには注意が必要です。
  • 入浴や下着交換はまめに
    身体を清潔に保てば、膀胱炎は起こりにくくなります。
  • 排便後,前から後ろに拭く
    肛門部にいる菌が尿道口につきにくくなるよう、前から後ろに拭くようにしましょう。
    洗浄機能付き便器も上手に使えば膀胱炎予防に有効です。
  • セックスのあとは、すぐに排尿する
    性行為の時には尿道口に細菌がつきやすく、膀胱炎を発症させる重要な原因です。

重大な病気がないことを確認しましょう

膀胱炎の背後に、重大な病気が隠れていることがあります。特に、男性の膀胱炎では、前立腺肥大症や膀胱がんが潜んでいる可能性があります。女性でも、膀胱炎を繰り返す場合や、なかなか治らない場合には、腎臓や膀胱の病気に注意が必要です。専門の泌尿器科医の診察を受けるようにしましょう。 

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