良性の腎臓腫瘍
腎嚢胞(じん・のうほう)
腎臓内の水のつまった袋状構造です。一種の老化現象と考えられます。完全に良性の病変ですが、まれに大きくなって周囲の組織を圧迫し腰痛を起こす事もあります。それゆえ、医師による定期的な検査が必要です。超音波検査やCT検査で診断可能です。腎臓がんでありながら嚢胞の形をとるものがあり、画像検査では区別できません。そのため、直接細い針を刺して組織や内部の水分を吸い取り、その成分のなかにがん細胞が隠れていないかどうかを調べる事もあります。
腎血管筋脂肪腫(じん・けっかん・きん・しぼうしゅ)
血管と筋肉と脂肪からできた腫瘍です。良性ですが、すこしずつ大きくなるため定期的な検査が必要です。時に出血や疼痛をおこすことがあり、腎部分切除術や血管塞栓術が行われます。特徴的な脂肪成分が超音波検査やCT検査でわかれば診断可能ですが、それがないと腎臓がんとの区別が困難な事があります。